飴玉
形のないというか、触れられないというか、
幸せだったような気がする、霞のような記憶というか……。
もうたくさんの時間が経ってしまったのであまり思い出せなくなった。
心が疲れてしまったときは、昔の楽しかった頃というか、元気だったころの気持ちを思い出すようにはしてる。
それが随分と朧気になってしまったなという話。
口に入れた飴玉はいずれ溶けてなくなる。
何味を舐めていたのかすら忘れた。
ただ、美味しかったという気持ちをぼんやり覚えているだけ。
その時の気持ちをその鮮度のまま保存出来たらと思う。
自分の感情から目を逸らすのが上手くなりすぎて、嫌なことも楽しかったことも思い出せなくなっていってる気がする。
全部自分の大切な気持ちなのになと思うけど、向き合ったら向き合ったでしんどい。
思い切って手放せればいいんだろうな。
もしくは忘れることすら全て肯定するか。
まだ28年しか生きてないのに荷物が多すぎる。
漂うように生きてるから、重い荷物を持つのにも踏ん張れん。困ったな。
人生Any%難しい。